犬と遊ぶと人間も犬もストレスが軽減される
ストレスは困難な状況から生じる精神的緊張や不安の状態であり、個人が障害や脅威と認識されたものに立ち向かう動機となる自然な人間の反応です。その存在は普遍的ですが、個人間で強さは異なります。
ストレスは生命と正常な生理機能に不可欠ですが、ストレスに対する反応は、良い面でも悪い面でも、全体的な健康と福祉に大きな影響を与える可能性があります。
犬と遊ぶと人間も犬もストレスが軽減される
この研究では、大学生が犬と15分間触れ合った後にストレスの指標が大幅に減少したことが分かりました。
ストレスは大学生に悪影響を及ぼし、悪い結果につながります。犬を使った介入（CAI）は自己申告のストレスを軽減することが示されている一方で、犬と学生のストレスレベルとそれに関連するバイオマーカーを同時に調査した研究はありません。
この研究では、犬に遭遇する前（T1）、犬に会う直前（T2）、犬と15分間触れ合った後（T3）に、自己申告の中度から高度のストレスを経験している122人の大学生の唾液コルチゾール、血圧、脈拍数を調べました。
参加者は視覚的アナログスケールを使用してストレスレベルを評価し、血圧と脈拍数を3つの時点で測定しました。唾液コルチゾールはT1とT3でも測定しました。健康状態が良好で、見知らぬ人に対しても抵抗がない個人所有の犬6匹が介入セッションに参加しました。
犬の唾液と糞便のコルチゾールサンプルは、活動開始前の午前中、正午、および人間との交流が終わった夕方に採取されました。
結果は、犬と触れ合うという期待が自己申告によるストレス、脈拍数、唾液コルチゾールを減らし、触れ合った後も有意に低いままであったことを示した。犬の唾液コルチゾール濃度は一日を通して変化しなかった。対照的に、犬が学生と触れ合った週の糞便中のグルココルチコイド代謝物濃度は、実験後の週の濃度よりも高く (P = 0.0012)、行動に基づくと、これは肯定的な刺激を示しているようであった。
これらの知見は、CAI を大学のストレス管理プログラムに統合する可能性を浮き彫りにしている。今後の研究では、これらの利点を地域の犬にまで広げること、長期的な効果、およびこの形式のストレス緩和へのアクセス性の向上について検討できる可能性がある。
研究論文（タイの大学生のストレス軽減に対する犬の介助介入の影響）
全体として、これらの調査結果は、人間と犬の交流が人間のストレス レベルに及ぼす有益な影響についての理解に寄与し、標的介入中に人間と動物の両方のストレスに対処することの重要性を浮き彫りにしています。最後に、現在の調査には対照群がないため、結果は慎重に解釈する必要があります。